同僚が赤い尿が出たため近くの診療所を受診したところ、薬の副作用によって尿が赤くなることがある、との説明を受けたそうです。どのような薬が原因となるのか教えてください。 (小千谷市 45歳 女性)
まるごと生活情報 2018年09月22日号掲載
今回は、薬の副作用による出血性膀胱炎についてお話します。
出血性膀胱炎とは、尿に血液が混ざる膀胱の炎症で、腫瘍、ウイルス、細菌、薬剤、放射線治療の影響など様々な原因で発症します。今回は、薬の影響で赤ワインのような色の尿が出る場合がある、ことについてお話します。 薬による出血性膀胱炎の原因薬剤はたくさんあります。その中でも①ケロイドや気管支喘息の改善のために使われる抗アレルギー剤(トラニラスト)②漢方薬(小柴胡湯に含まれるオウゴンなど)③抗がん剤(シクロフォスファマイド)などが代表的です。つまり、治療のために飲んだ漢方薬や抗アレルギー剤などが原因で赤い尿が出ることがあるのです。 症状は血尿のほか、頻尿、排尿痛、残尿感などを伴います。また、膀胱炎症状がなくても、脳梗塞や心筋梗塞の予防に使われる血を固まりにくくする薬(ワーファリン、バッファリンなどの抗凝固剤)の使用による血尿も時に経験します。 薬の副作用による出血性膀胱炎の治療は、原因薬剤を中止することです。赤い尿が出たら御自分の症状を医師によく説明することで、医師は血尿の原因を考え、薬が原因と考えれば中止し処方薬の変更などの最善の治療を提供することができます。 (参考文献 厚生労働省 重篤副作用疾患別対応マニュアル 出血性膀胱炎)