小学5年生の子どもの夜尿が月1〜2回程度続いており、学校での宿泊行事の夜尿を心配しています。何かよい対応があれば教えてください。(小千谷市 37歳 女性)
まるごと生活情報 2016年11月26日号掲載
夜尿症の定義・原因・治療についてお話します。
夜尿とは、「寝ている間に尿が漏れる状態」で、夜尿症とは、「5歳以上の小児で、1ヵ月に1回以上の夜尿が、3ヵ月以上続く場合」と定義されています。
3〜4歳までは、尿がある程度膀胱に貯まると自然に膀胱が収縮して、昼も夜もおむつが濡れていますが、これは自然の経過で夜尿症とは言いません。5歳を過ぎると、成長とともに尿意を覚え、おしっこを溜め、夜間でも尿意で目が覚めるようになります。
夜尿症とは、尿意を覚えること、おしっこを溜めることに問題があり、睡眠中に尿が漏れる状態、とも言えます。
夜尿症の原因として、水分摂取過剰など生活習慣によるものが多いのですが、まれに、尿路感染症などの泌尿器科的疾患、小児の睡眠時無呼吸症候群、糖尿病、精神疾患などが原因となることもあり、夜尿の頻度が多い場合は詳しい検査が必要なときもあります。
夜尿症の治療でまず行うことは、水分摂取量を見直すことで、夕食後の水分は200cc程度までとすることが大切です。また、夜尿症患者では明らかに便秘の合併率が高いため、便秘があれば便秘の治療も行います。
これらの方法でうまくいかない場合は、腎臓に作用して睡眠中の尿量を減らす内服治療薬が2012年に保険適用となりました。宿泊行事の治療として使うときは、行事の少なくとも6週前からの使用が推奨されていますので、参考にしてください
(参考文献 夜尿症診療ガイドライン2016)