私の友人が赤い湿疹が出たため近くの診療所を受診したところ、思いがけず梅毒の診断を受けたと聞きました。そこで、梅毒について教えてください。(長岡市29歳男性)
まるごと生活情報 2015年09月19日号掲載
梅毒の感染経路、症状、診断、治療法についてお話します。
梅毒は典型的な性行為感染症で、性行為がなければ感染することはありません。感染経路は、病原体の梅毒トレポネーマが性交時に皮膚粘膜のささいな傷口から血液に入る血液感染で、血液から全身に運ばれ、色々な症状を引き起こします。
梅毒は感染後2年未満の早期梅毒と、感染後2年以上経過した晩期梅毒に分けられ、さらに早期梅毒は感染して3週間後頃に感染部位にしこりや潰瘍ができる1期梅毒と、感染後約3ヵ月後から全身にバラの花びらの色の様な湿疹(バラ疹と呼ばれています)が出る2期梅毒に分けられます。晩期梅毒になれば、神経の麻痺や動脈の炎症を引き起こします。
診断には血液検査が必要ですが、たとえ感染していても感染から3~4週後でないと血液検査に陽性反応は出ません
有効な治療薬は何通りかあり、ペニシリン系の抗生剤が特効薬です。一定期間治療すれば治る病気です。容易には完治しますが、最近の傾向として、エイズウイルス感染者に梅毒の合併例が増えています。性行為の感染機会があり、何らかの症状がある場合は早めに医療機関に受診することをお勧めします。