排尿時に痛みを感じます。どんな病気が考えられますか?
まるごと生活情報 2002年12月28日号掲載
膀胱炎の疑いがあるので、早めに受診されるとよいでしょう。細菌が原因であることが少なくありません。精神的な影響で同様な症状が出ることもあります。
成人女性の場合、頻尿や残尿感、排尿時の痛みがあれば、まず、単純性の細菌性膀胱炎を疑います。単純性とは、膀胱炎を引き起こすほかの泌尿器科的病気を合併していないということです。 細菌の多くは大腸菌によることが大半で、統計学的には20歳代の膀胱炎の約7割近くが性行為後に生じるといわれています。以前はハネムーン膀胱炎とも呼んでいました。しかし、女性の外陰部の解剖学的特徴―――つまり尿道が膣、肛門に近い―――から、性行為とは関係なく、膣、肛門の細菌が原因となり生じることも少なくありません。前述の症状があるときは、外陰部を清潔に保ち水分を多く取り、排尿を我慢しないことが大切です。そして早めに受診してください。また、膀胱炎を繰り返す場合ですが、これは膀胱の結石、先天性奇形、腫瘍などの他の泌尿器科的病気を合併していることもあります。さらに、「膀胱は心の鏡」といわれるほど、神経、精神的な影響を受ける臓器で、膀胱炎同様の症状はあるが膀胱炎ではない場合もあるのです。いずれにせよ、自覚症状があれば、恥ずかしがらずに早めに泌尿器科専門医を受診することをお薦めします。