健康診断や病気の時、尿の検査をしますが、どの様なことがわかるのか教えてください。
まるごと生活情報 2003年10月25日号掲載
健康診断を受ける人は、原則困ることの無い人ですから、症状の出にくい病気を見逃さないことが大切です。特に腎炎と関係のある蛋白尿や血尿、また、糖尿病状態にある可能性を見る尿糖、尿路 腫瘍や結石などの有無をみる血尿のチェックは、検尿の主たる目的です。尿は、もともと血液が腎臓でろ過されたもので、血液中の老廃物が尿として体外に排出されます。この際、ろ過する部分の構造が、腎炎など何らかの原因で変化すると蛋白や赤血球が尿中に多く 認められます。また、ろ過する部分に異常がなくても、尿路(尿の通り道)に結石、腫瘍があれば血尿が見られ、ひどい時は眼で見てわかるほどの真っ赤な尿が出ることもあります。また、頻尿や排尿痛などのなんらかの症状を有する人に関しては、尿中の白血球の有無が診断に不可欠です。血尿、膀胱炎、腎盂腎炎などは、必ず泌尿器科専門医を受診してください。 その他、小児が嘔吐を繰り返す場合など、体内の水分が十分か否かを見るために尿中のケトン体をチェックします。また、赤血球の変化後のビリルビンの有無から黄疸などの肝機能障害を見つけることが出来ます。この様に、尿の検査は、全く痛みを伴わず、また全く危険を伴わずたくさんの情報を得ることが出来る理想的な検査のひとつなのです。