震災後4カ月が経ちますが、いまだに寝付きが悪くて悩んでいます。災害後に見られるこころの病気ってどんなものがあるのでしょうか? またPTSDとは何ですか?(※前回の続きです)
まるごと生活情報 2005年03月26日号掲載
PTSDとは、自然災害、人為災害、テロ、戦争などの後何らかのストレス障害を生じることの総称です。
震災後の「こころのケア」という言葉は阪神大震災後から注目されはじめました。 教科書的には、震災直後、1週間後、2週間後、1カ月後、6カ月後と時間の経過とともに、それぞれの時期で気持ちの変化(不安感)が異なります。 これに関しては次回くわしく説明いたします。 PTSDとは、自然災害、人為災害、テロ、戦争などの後何らかのストレス障害を生じることの総称です。 しかし、最近はあまりに「こころのケア」という言葉が独り歩きして、現実にそぐわない言葉の使われ方がなされています。 地震だろうがなんだろうが、異常な状態に対する正常な反応として、不眠、動悸、いらいら感等が起こるのは当然のことですから、ことさら「こころのケア」と仰々しく言わなくても、何が異常で、何が正常かのバランス感覚を持つことの方が大切です。 現時点では震災後約4カ月経過しますが、寝付きが悪いのは、震災のみが原因なのか、もともと日ごろのストレスに耐える力が弱い性格かで症状の出方が違います。 かかりつけ医に相談してみてください。 今回の地震で思うことは、「こころのケア」に医師が携わることができることはほんのささいな部分だということです。 地震がなければストレスも生じず、地震が起こらなければ家屋の倒壊もなかったわけですから、安全、安心、安眠を元に戻す最大の力は行政だと痛感しています。