平日の夜間、大人の急患診療事業ができたと聞きましたが、どのような体制でしょうか?3 ※前回に引き続いての内容です。
まるごと生活情報 2008年07月26日号掲載
今回は、急患診療事業の内容、救急患者にならない工夫、などについてお話します。
前回まで平日夜間、大人の急患診療事業が立ち上がった経緯についてお話しました。今回はその機能についてお話します。 急患診療事業はあくまで一次救急の医療であって、スタッフや設備の関係から常に最善の医療を提供できるとは限りません。できる限り患者さんの苦痛を取り除き、翌日専門医もしくはかかりつけ医に受診するまでのつなぎ役として診療します。 また、詳しい検査や入院の必要性があると判断すれば、総合病院に紹介する、など患者さんを振り分ける場でもあります。 救急患者にならないためには、1.元気な人が体調の異常を感じたら、早めに、診療時間内に受診する。もし夜間であっても、自力で動けるなら救急車を使わない。2.慢性疾患でかかりつけ医のある人は、あらかじめ主治医から予防薬などを処方してもらう、などの行動が大切です。 しかしながら最近の全国的な動向として、1.患者さんが簡単に救急車をタクシー代わりに使う。2.「仕事が忙しい」「待つのが面倒」などの理由で、救急診療と時間外診療が混同されている。3.患者さんの権利意識が強くなり、夜間早朝と24時間常に最先端医療を求める、などの傾向が見られます。 平日急患診療所の立ち上げを契機に、多くの人が救急医療とは何かについて関心を持ってくだされば幸いです。 患者さんが前記の意識を持ってくだされば、怪我や突然の心臓・脳疾患など本来の救急患者さんが総合病院に救急車で来院でき、速やかな治療が可能と思われます。