最近、製薬会社のCMで団体バスの女性客がバスが出る寸前にトイレを要求! その中に医者(薬剤師)らしき人が、「トイレが近い人は専門のお医者さんに相談してみたら、治るかもしれませんよ!」こんなCMを見ました。頻尿は治るものでしょうか? 歳のせいで仕方のないものではないでしょうか?
まるごと生活情報 2009年01月24日号掲載
頻尿は薬で症状を改善することが期待できます。
頻尿とは文字通り尿の回数が多いことですが、高血圧のように明確な診断基準があるわけではありません。夜間の頻尿については、日本泌尿器科学会が2005年に出したガイドラインでは、「排尿のため夜間(就寝から起床までの間)1回以上トイレに起きること」、と明確に定義されています。 しかし、昼間の頻尿に関しては回数に明らかな基準はありません。つまり、患者さんが日中の排尿回数が多すぎて困ると訴えれば、回数とは無関係に「昼間頻尿」ということになります。しかしながら、「便宜上昼間8回以上トイレに行く場合」を昼間頻尿の基準にすることが多いようですが、7回以下なら正常で、8回以上は病気というわけではありません。1日10回以上トイレに行っても苦痛でない場合は病気とはならず、例え7回以下でも授業中やバス旅行中の尿意(おしっこをしたい感じ)など、過剰な尿意を感じる場合が病的状態と考えられます。例えば、ビールやジュースなどを取りすぎると、体内の水分を排出しようとトイレの回数が当然増えますが、これはまったく正常な状態です。 つまり、回数よりも、急に起こる、抑えられないような強い尿意が生じることが最も困ることなのです。この様な、我慢することが困難で、通常の尿意とは異なり、頻尿および夜間頻尿を伴う状態を「過活動膀胱」と定義すると、頻尿に関して症状を改善することが可能となりました。 次回より、過活動膀胱の病態、原因、治療について詳しくお話しいたします。