DLコレステロールについてテレビコマーシャルでよく宣伝していますが、コレステロールが高いとなぜいけないのですか?
まるごと生活情報 2009年07月31日号掲載
今回よりコレステロールについてお話しいたします。
血液中の脂肪にはコレステロール、中性脂肪、遊離脂肪酸などがありますが、健診ではコレステロールと中性脂肪を測定しています。さらに、コレステロールは血液中では蛋白と結合し、結合する蛋白の種類により、善玉 、悪玉に分類できます。
LDLコレステロールとは悪玉コレステロールのことで、この値が正常値を超えると血管壁がもろくなり、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などの発症頻度が上昇します。心臓、脳の病気にならないためには、悪玉コレステロールの値を正常値に保つことが大切なのです。
しかしながら、コレステロールは人体のホルモンなどを作る材料ですから、低くても問題です。たとえば、アルコール性の肝機能障害の人は体内でコレステロールを作る力もなくなり、低コレステロール血症となり、体に必要な物質が不足します。低いからといっても安心はできません。 以前はコレステロールの値が高いと高脂血症と言われていましたが、数年前から脂質異常症と呼び方を変更しています。これは、善玉コレステロールの値は高い方が体に良いからです。脂質異常症の診断基準は表の通りです。
治療については、運動、食事、内服療法がありますが、これらに関しては次回説明いたします。