LDLコレステロールについてテレビコマーシャルで良く宣伝していますがコレステロールが高いとなぜいけないのですか?(前回の続きです)
まるごと生活情報 2009年08月29日号掲載
今回はコレステロール異常の治療法についてお話しいたします。
前回、LDLコレステロールとは悪玉コレステロールのことで、この値が正常値を超えると血管壁がもろくなり、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などの発症頻度が上昇しやすくなることをお話しました。また、数年前から脂質異常症と呼び方が変わったこと、心臓、脳の病気にならないためには、悪玉コレステロールの値を正常値に保つことが大切なこともお話しました。コレステロールに関する脂質異常症の診断基準は表の通りです。 治療の原則は、生活習慣の改善です。具体的には1禁煙2食生活の是正3適度の運動を行い適正な体重を維持する、ことです。
1.煙草は血管の壁をもろくし、心臓・脳の病気の原因になるだけでなく、肺癌、喉頭癌などと関係があり、ぜひ禁煙をお薦めします。しかし、ニコチン依存症は病気ですから、禁煙指導は必ずしも容易ではありません。煙草を止めたい、との強い意志がある方は禁煙外来への受診をお薦めします。
2.食生活では、コレステロール摂取量は1日300mg以下にすることが良いとされ、例えば、鶏卵の卵黄1つには260mg、タラコ1腹には228mgのコレステロールが含まれており、これらを意識して食事をすることが大切です。また、大豆蛋白、ビタミンC,EなどはLDLコレステロールを低下させることが解っています。
3.運動に関しては、毎日平均30分以上歩く程度の軽い運動を続け、肥満を改善することが大切です。 生活習慣の改善を3~6ヵ月続けても、脂質異常症が続く場合は飲み薬が必要となりますが、すでに心臓・脳の病気を経験されている方は、早期の内服治療が必要です。また、薬を飲みながら生活習慣の改善の努力すれば、薬を飲まなくてもよくなる場合もたくさんあります。