のどが痛くて、微熱もありだるくて風邪をひいたみたいですが、インフルエンザかどうかと ても気になります。調べたら分かるんですか?3(※前回の続きです)
まるごと生活情報 2010年01月23日号掲載
インフルエンザについて何回かに分けてお話します。
1回目:検査方法と検査結果の見方
2回目:新型インフルエンザの特徴(症状や治療経過)
3回目以降:ワクチン接種の状況
今までに、インフルエンザの検査方法と検査結果の見方、新型インフルエンザの大流行の実態をお話しましたが、新型インフルエンザの特徴に関してはまだ明確には判っていないというのが現状です。 3回目の今回は新型インフルエンザワクチン接種の状況についてお話いたしますが、そもそもインフルエンザワクチンは、インフルエンザが大流行する前に接種しておくもので、今の様に大流行しているときに接種することは、予防医学的にみておかしな話ではあります。ワクチンはウイルスの感染を防ぐのではなく、感染しても重症化しないことを目的としていること、接種後効果が現れるまで2週間くらいかかることをご理解しておいてください
マスコミ報道などから、ワクチンの希望者が殺到し、需要に供給が追いついていないのが現状です。数と安全性が十分であれば、希望者に順番に接種できますが、現実的には限られた数を接種するため、優先順位を国が決めています。また、その優先順も基準が変わるため、医療現場で混乱が起きているのも事実です。現段階では、医療従事者、妊婦、癌などの基礎疾患がある人に対して平成21年10月下旬より接種が開始されましたが、希望者全員に行き渡るには平成22年3月になる様で、余りにも遅すぎる気がします。
感染発症者のほとんどは20歳代以下のため、国は小学生以下の年齢層の優先順位を上げ、持病のない高齢者は最後となりました。新型インフルエンザの特徴として、経験的に60歳以上の感染率は10%以下と少なく、治療効果も現時点では抗ウイルス薬のタミフル、リレンザがよく効くと言えるので、必要以上の心配は無用です。とにかく、ワクチンの接種をしていても、していなくても、日頃からうがい、手洗いを心がけことが大事となります。また、発熱時には落ち着いて医療機関を受診することをお薦めします。