子どもの体に小さな皮膚の盛り上がりがあり、皮膚科に連れて行くと、イボ、水イボと説明を受けましたが、そもそも「イボ」って何ですか、教えてください。
まるごと生活情報 2010年06月26日号掲載
イボウイルスが皮膚に感染し、皮膚の変化した盛り上がり状態を「イボ」と呼んでいます。
イボ、水イボ、タコ、魚の目などよく聞く言葉ですが、それぞれ皮膚から盛り上がっている小さな「できもの」の俗称です。今回はイボについてお話します。 イボとは、異なった100種類以上あるイボウイルスの感染によってできる皮膚の盛り上がりを指します。その中で頻度の多いイボは、ヒトパリローマウイルスの一種によってできる尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)がその代表です。そのほか、ウイルスの違いにより、扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)、水イボ(伝染性軟属腫=でんせんせいなんぞくしゅ)などがあり、医学的には、ふりがなを付けないと読めないとても長い名前が付いています。
イボの原因はウイルスという生き物で、理論的には人にうつります。では、なぜイボが体にできるのでしょうか? 正常な皮膚は、外からの有害な刺激やウイルス・細菌などの感染から身を守る働きがあり、イボのウイルスも健康な皮膚には感染しないと考えられています。しかし、怪我をしやすい手、足、アトピー性皮膚炎などの皮膚は、特にひっかくことが多く皮膚の構造が正常と異なりカサカサとなり、イボウイルスが感染しやすい状態となっているのです。
イボができても特にかゆみなどの症状はありませんが、これからの時期、特に学校の生徒は集団でプールにはいることもあるため、人にうつさないためには治療が必要となります。プールの水でうつるわけでなく、人と人との接触によって、感染しやすい皮膚にのみうつると言われています。
次回は、尋常性疣贅、水イボの特徴、治療法などについてお話します。