健康診断でPSA値の異常があり、「要精密検査」と指摘されました。PSAについて教えてください。2(※前回の続きです)
まるごと生活情報 2011年07月30日号掲載
PSA検診は前立腺がんの早期発見に役立ちます。前立腺がんとPSAについて何回かに分けてお話します。※今回は2回目です。 1回目:前立腺がんとPSAについて/2回目:PSAの年齢による変動について/3回目以降:PSAに関する最新の見解について
1回目の話をまとめますと、①PSAとは血清前立腺特異抗原(Prostate Specific Antigen)の略号であり、男性特有の臓器である前立腺からでる血液中のPSAを測定することによって前立腺がんを早期に発見し、がんによる死亡率を低下させることが出来ること、②PSAは本来血液中には高い濃度では存在しなく、前立腺がんになると、多くの場合で血中濃度が上昇し、国際基準ではPSAの値が4ng/ml以上となること、の2点でした
2回目の今回は、PSAの年齢による変動値についてお話します。長岡市においては、平成17年4月から市の援助を得て前立腺がん検診が始まりましたが、PSAの正常値は年齢により異なるとされ、表のようになります。年齢区分、正常値の範囲は、集団検診に優れた実績を持つ群馬大学の報告を参考にして設定されています。
年齢とPSA値より、「異常なし」「経過観察」「要精密検査」に分類されます。しかし、PSA20ng/mlの人と4.1ng/mlの人は、前立腺がんの検出率には雲泥の差があり、同じ「要精密検査」の判定でも、意味は全く異なるため、「要精密検査」と指摘されれば泌尿器科専門医の受診をおすすめします。
また、PSA検診システムにもいくつかの問題点があり、次回は今後の課題や最近の見解についてお話します。