子どもの体に小さな皮膚の盛り上がりがあり、幼稚園の先生より、イボ、水イボと説明を受けましたが、イボについて教えてください。
まるごと生活情報 2011年09月24日号掲載
イボウイルスが皮膚に感染し、皮膚の変化した盛り上がり状態を「イボ」と呼んでいます。
イボとは、イボウイルスの感染によってできる皮膚の盛り上がりの俗称です。その中で最も頻度の多い尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)と水イボについて説明します。
尋常性疣贅はヒトパピローマウイルスの一種が原因で、子供の手や足に出来ることが多く、イボの表面はガサガサした硬い盛り上がりをしています。
それに対して水イボは、伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)ウイルスが原因で、みずみずしい皮膚の盛り上がりの中央が少し凹んでいる事が特徴的です。また、イボの出来る部位は手足より体に多い傾向にあります。
どちらのイボとも、健康な皮膚には感染しないと考えられています。怪我をしやすい手や足、アトピー性皮膚炎などの皮膚は、特にひっかくことが多く皮膚の構造が正常と異なっていてカサカサとなり、イボウイルスが感染しやすい状態となります。イボができても特にかゆみなどの症状はありませんが、人にうつさないためには治療が必要です。
尋常性疣贅の治療法は、液体窒素でイボを凍結し、ウイルスを破壊することが一般的ですが、数が多いと相当な治療期間が必要です。
また、水イボの治療法は、ピンセットのような道具で摘除するしかありません。しかしながら①自然に治ることもある②摘除するとき痛い、等の原因で、乳幼児の水イボは経過観察される事も多く、その結果、数が増えることもよく経験します。出来れば、数が少ないうちに医療機関を受診されることをお勧めします。