最近の蒸し暑さで寝た気がしないのですが、蒸し暑くない時期でも寝つきが悪い方です。いわゆる不眠症なのでしょうか?不眠症について教えてください。
まるごと生活情報 2012年09月22日号掲載
不眠症について何回かに分けてお話します。
1回目:不眠症とは。
2回目:不眠症の原因について。今回は1回目です
良く眠れない、寝つきが悪い、寝た気がしないなど、睡眠に対する不満を持っている人は少なくありません。また、普段は何ともなくても、身内の不幸や何らかの緊張状態で寝つきが悪いことはほとんどの人に経験があると思います。寝つきが悪いことが正常範囲なのか、病気なのか境界線がはっきりしないのも事実です。逆に、睡眠時間が短くても本人が睡眠に満足し、昼間心身共に健康で正常な活動ができるなら、不眠という悩みはなく医療機関には受診されません。つまり、本人が睡眠に対して不満があるときに不眠症という病態が成り立ちます。
不眠の症状は一般的に、大きく4つに分類されます。
① 入眠障害:床に入ってもなかなか寝付けない状態で、寝付くまで30分以上も要する場合が多いようです。
② 中途覚醒:寝つきは良くても、夜中に何度も目が覚める状態で、一晩に何回も目覚めてなかなか再入眠できない場合です。
③ 早朝覚醒:望ましい時間よりも2~3時間早く目覚めて再入眠できない状態です。朝早く目が覚めてしまい、昼間の倦怠感など日常生活に支障がある場合が多くみられます。
④ 熟眠障害:熟睡感がない、寝た気がしない状態で、実際には良く眠っていても、寝た気がしないと訴える場合です。
不眠症とは、1)睡眠できる時間が十分にとれるにも関わらず、2)前記の持続的な不眠状態が続き、3)日中の生活に支障があること、の3つの条件がそろって初めて不眠症と診断します。
すなわち患者さんの自覚症状が根拠になって診断されるもので、夜寝られないことがさほど苦でなく、日中の生活に支障がなければ不眠症とは言いません。
次回は不眠症の原因についてお話します。