前立腺肥大症に対する新しい飲み薬についてお話します。（今回は2回目です） 前回、前立腺肥大症に対する内服治療の原則は、尿道の緊張を取り除く薬、または前立腺の大きさを小さくする薬が第一選択とされている、とお話しました
平成26年4月ED（勃起不全）治療薬と全く同じ成分で、容量のみが異なった薬が前立腺肥大症の治療薬として保険適応になりました。この薬の特徴は、膀胱前立腺の血流を良くするという点で今までの薬と作用機序が異なります。私も、患者さんに使用した経験から良い印象を持っています。今後は、第一選択の治療薬になる可能性があります。ただし、使用にあたって次のような注意点があります。
①狭心症など心臓の治療を受けている人は内服することができません。②ED治療を目的にこの薬を処方することは禁止されています（ED治療は保険適応でなく自費診療となります）。③新薬のため、発売から1年間は2週間以内までの処方が限度です。④この薬を使用するにあたって超音波検査などによる前立腺の評価を必要とする、などです（当たり前の話ですが、医師が薬を処方するには診断根拠が必要です）
今までの治療薬で満足していない患者さんは、一度泌尿器科専門医の受診をお勧めします。