小学1年生の子どものおねしょが続いています。どうすれば良いでしょうか?
まるごと生活情報 2003年02月22日号掲載
内服治療により膀胱の収縮を抑えることが期待できます。
おねしょは、専門的な医学用語で夜間遺尿症と言います。言葉の通り、夜、無意識のうちに排尿することです。統計学的には高校卒業までには95%の人は全く治療しなくても治るものと言われています。まず、尿と膀胱機能についてお話します。尿は血液が腎臓でろ過されて出来ますが、腎臓では尿は貯蓄できません。尿管を通 って膀胱で貯蓄されます。赤ちゃんを思い出してください。乳児におねしょも何もありません。つまり、赤ちゃんの膀胱は尿がある程度貯まると勝手に膀胱が収縮して排尿します。これは、自動膀胱とも言います。しかし、成長とともに尿意を覚え、おしっこを貯め、出したい時にトイレで排尿します。正常な膀胱機能とは、「意識的に漏れなく貯蓄し、残りなく排尿すること」です。様々な排尿異常がありますが、おねしょに関して言えば、尿意と眠気のどちらが有意かと言う事です。眠りが強ければ、膀胱に尿が貯まっても目が覚めず、膀胱収縮により、夜尿症が生じ、尿意で眼が覚めれば、トイレに行きます。このバランスが悪いとおねしょとなります。腎臓、膀胱のエコー、検尿、脊椎のレントゲン写 真を泌尿器科専門医で施行し、明らかな異常がないことを確認すれば、内服治療により膀胱の収縮を抑えることが期待できます。