健康診断や病気の時、尿の検査をしますが、どの様なことがわかるのか教えてください。
まるごと生活情報 2003年07月26日号掲載
「尿」「おしっこ」と言うとあまりきれいなイメージはありませんが、本来尿は無菌的で不潔なものではありません。事実、西暦1世紀には、医師は患者さんの尿を尿瓶に入れ、観察したり口に含んで味見をした、という記録も残っています。また、海を漂流した船員が自分の尿を飲んで飢えをしのいだ、と時に新聞などで報道されています。本来健康人の尿は、原則無色透明ですが、採尿方法、採尿時期(朝一番の早朝尿)により異常のない尿も色調が変化することもあります。理想的には、早朝尿か新鮮尿かの区別 、一回の尿量など正確な採尿方法かどうかの確認をし、色調、混濁などを肉眼的に観察し、さらに尿沈査と言って顕微鏡的に赤血球、白血球、尿路の異常細胞(癌細胞)を調べる事ができます。 しかし集団健診などでは、前述のすべてを検査する事は不可能で、簡易的に尿に紙テープをつけてその紙の色の変化から糖、蛋白、潜血、ケトン体、ビリルビン等の有無を判定します。これらからは、腎機能、肝機能、糖尿病のコントロール、小児の嘔吐症の把握等、数多くの情報を得ることが出来ます。次回具体的にその病気についてお話したいと思います。