くしゃみや急に立ち上がった時に、 尿が漏れてしまいます。どうすれば治りますか?
まるごと生活情報 2004年07月24日号掲載
尿漏れの程度にもよりますが、 7割以上薬でコントロールできます。
一般的に「尿漏れ」といっても、作用機序によっていくつかに類されます。 まず、正常な排尿状態についてお話します。正常な排尿状態とは、膀胱に尿を十分に貯めることができ、尿意がある時、漏れなく、残りなくすべての尿を排出できる状態です。 膀胱は本来、尿が貯まれば自然に収縮して排尿するようにできています。 赤ちゃんはまさにこの状態です。しかし、脳の成長とともに、尿意を感じても排尿反射を意識的に抑え、尿を我慢することができるようになります。 尿を貯める時は尿が漏れないよう、尿道の筋肉がきつく閉じている状態になっているのです。 尿漏れは、膀胱の収縮する力と、膀胱出口の抵抗圧のアンバランスから生じます。 特に女性の場合は、膀胱出口の抵抗圧は外尿道括約筋のみのため、男性に比べて解剖学的に尿の維持をしにくい傾向にあります。 また、排尿は膀胱の収縮力だけでなく、腹圧が絡んでいますので、急に立ち上がったり、咳をしたり、縄跳びをしたり、腹圧が上昇した場合、さほど尿が貯まっていなくても、尿漏れすることがあり、女性の3割は少なからず尿漏れがあると言われています。 正式には腹圧性尿失禁と呼びます。この場合、尿道抵抗を上昇させたり、膀胱の収縮力を下げる内服治療が可能ですので、ぜひ泌尿器科専門医を受診することをお薦めします。