最近の健康についてのテレビ番組を見ると、ありふれた症状に重大な病気が隠れているという事実に、正直とても驚いてしまいます。こういう番組を見る上で何か注意しておいた方が良いことがあれば教えてください。
まるごと生活情報 2005年05月28日号掲載
テレビでは、ある症状から考えられる疾患の頻度の多い少ないはほとんど無視されているように思われます。 なぜなら、当たり前の答えでは視聴率が上がらないからです。 意外性を求めるには、めったにないことがいつも起こるように番組を進める傾向があると感じます。 たとえば運動後「腰痛」が生じれば普通、神経や筋肉の病気を考え整形外科を受診するはずです。 しかし、前立腺癌の骨転移、動脈瘤の解離など命に関わる病気も同じ症状をていするため、頻度を無視して、腰痛=癌の骨転移、とテレビで放映されると、いきなり頻度の少ない病気を自分自身に当てはめ心配し、当科を受診してくる人も少なくありません。 病気の頻度に惑わされないように注意してください。