最近主人に元気がありません。男性更年期障害という言葉を聞きますがどの様な症状でしょうか?(※前回の続きです)
まるごと生活情報 2006年05月27日号掲載
今回は男性更年期障害の治療法についてお話いたします。
男性と女性の更年期障害の治療法の決定的違いは、ホルモン補充療法の有効性にあると言えます。 前回お話したように、女性は卵巣ホルモン不足により各種の異常を訴える場合が多く、不足したホルモンを補充することで効果が期待できます。 しかし、男性の場合、男性ホルモン低下のみで症状は説明できないことが多いのです。 前立腺癌と男性ホルモンは密接な関係がありますが、ホルモン低下は急激に起こるものでなく加齢により緩やかに減少していきます。 つまり、男性の場合の更年期障害の原因は環境因子の方がより大きく、まずホルモン補充療法は期待できません。 治療法は、「可能な限り環境を変えること」ですが、まず現実的には無理です。 そこで、それぞれの困る症状を取り除くことが治療になりますが、具体的には、いらいらして眠れなければ睡眠誘導剤を内服するのも一つの方法と言えます。 多くの場合心療内科的要素が強く、一般内科で改善しない場合は専門医での治療をお薦めします。