今流行している麻疹(はしか)の特徴について教えてください。
まるごと生活情報 2007年06月23日号掲載
麻疹の原因ウイルスの特徴は、他の伝染性ウイルスに比べて感染力が極めて強いことと、脳炎、肺炎などの重篤な合併症を引き起こしやすく、麻疹による死亡率も0.1-0.3%と高いことです。 インフルエンザウイルスなどはマスク、うがいなどである程度予防が可能ですが、麻疹の感染はマスクなどでは予防は無理です。特効薬は存在せず、ワクチンのみが有効な予防手段です。そのため小児科医は、子供が1才になれば麻疹のワクチン接種の必要性を世に啓蒙しています。 以前は1回のワクチンで終生免疫ができると考えられていましたが、最近は1回摂取のみではワクチンの効果が弱くなる場合があることが解ってきました。そこで2006年4月から、1才時と小学入学前期間の計2回のワクチン接種を行うことになりました。 私は昭和30年生まれですので、当時麻疹の予防接種はありませんでした。しかし幼少時、身体全体が真っ赤になり高熱にうなされた記憶が今でも残っており、先日抗体を調べて麻疹感染の既往を確認しました。私のように、直接麻疹に感染すれば終生免疫ができます。 現在20才前後の麻疹にかかっている年代は、ワクチンを受けていなかったか、ワクチンを1回摂取した後ワクチンの効果が弱くなり、十分な予防効果が得られていない世代と言われています。 ワクチンを摂取したにも関わらず麻疹にかかった場合は、発熱や結膜炎、皮膚の発疹など麻疹に典型的な症状が出ない場合もあり、血液検査以外診断し難く現在の流行の原因にもなっているようです。(参考/新潟県小児科医会ホームページ)