最近、輸血による肝炎など血液に関することが話題になっています。一般的に血液検査などでわかる病気について教えてください。
まるごと生活情報 2008年03月22日号掲載
今回から2~3回に分けて、一般的な血液検査の項目、血液検査でわかる病気、肝炎ウイルスなどについてお話したいと思います。
質問者はおそらく、C型肝炎ウイルスなどを念頭に置いていると思いますので、血液検査でわかる体の状態と、肝炎ウイルスについて何回かに分けてお話しいたします。 以前この欄で、健康診断表の見方をお話しましたが、血液検査と言っても、その数はきら星の如く多くあり、一言では言い表すことはできません。健康診断などの場合は、何かを疑って詳細な検査を行うというより、スクリーニングの役割がありますので、一般的には、貧血、肝機能障害、腎機能障害、糖尿病、高脂血症の有無などを中心に検査し、診断します。私の経験では、限られた血液検査のみで異常がないと、体のすべてが正常と勘違いする患者さんが多いのですが、あくまで検査した項目は異常がないと言うだけで、病気がまったくないということではありません。 血液検査の結果だけでわかる病気には限りがあるということを理解することが大切です。極端な話、小さな肺癌、大腸癌などがあっても一般血液検査ではほとんど異常を認めません。 最近は一般健診でも、B型肝炎・C型肝炎に関する検査も日常的に行われており、これらに関しては次回説明いたします。何らかの自覚症状がある場合、様々な検査と血液検査の結果を総合的に判断して病気の診断をします。この中で、主に血液検査で確定診断できる病気としては、最近話題の麻疹やB型・C型肝炎ウイルスなどを含めた感染症、白血病などの血液疾患、また糖尿病・甲状腺疾患、花粉症などのアレルギー疾患、難しい言葉ですが膠原病……等ですが、あまりに数が多いためこれ以上は割愛します。 次回より肝炎ウイルスなどウイルス関係についてお話します。