平日の夜間、大人の急患診療事業ができたと聞きましたが、どのような体制でしょうか?2 ※前回に引き続いての質問です。
まるごと生活情報 2008年06月28日号掲載
今回は救急医療と時間外診療に関してお話します。
前回、夜間急患診療所が開設に至った経緯についてお話しました。主な理由は、軽症患者さん、または救急でない単なる時間外診療患者さんが3大病院(中央、日赤、立川)に集中し過ぎて、真の救急患者さんを診るのに弊害が生じていることが理由の一つです。 正規の診療時間以外に救急でない患者さんが、深夜早朝受診する傾向は全国的に見られ、「コンビニ医療」と言われています。実際、新潟県下のある病院では、「コンビニ医療」による勤務医の疲労から、大量の退職者が出たのは有名な話です。 大都会では、深夜早朝にあえて正規の診療時間を設定している診療所もあるようですが、少なくとも長岡にはありません。 救急か救急でないかは、医師でないと分からない場合がもちろんありますが、小児救急のように、「保護者が救急と感じたらすべて救急」と言うわけではありませんので、一般常識で理解していただきたいと思います。 「いつも飲んでいる血圧の薬がなくなった」「腰が痛いので湿布が欲しい」「2~3日前から背中が痒い」「1~2日前に他の診療所で見てもらったが風邪が治らない」「39度の熱が出たので、驚いて救急車で来た」……このような救急とは思われない患者さんが深夜早朝に来院されるのが現実です。 時間外診療患者さんが減少すれば、怪我や突然の心臓・脳疾患など本来の救急患者さんが総合病院に救急車で来院でき、速やかな治療が可能になると思われます。 次回は、救急患者にならない工夫などについてお話します。