最近、製薬会社のCMで団体バスの女性客がバスが出る寸前にトイレを要求! その中に医者(薬剤師)らしき人が、「トイレが近い人は専門のお医者さんに相談してみたら、治るかもしれませんよ!」こんなCMを見ました。頻尿は治るものでしょうか? 歳のせいで仕方のないものではないでしょうか?2(前回の続きです)
まるごと生活情報 2009年02月28日号掲載
頻尿は薬で症状を改善することが期待できます。
前回、我慢することが困難で、通常の尿意(おしっこをしたい感じ)とは異なり、頻尿および夜間頻尿を伴う状態を「過活動膀胱」と呼び、薬で症状を改善することが期待できる、とお話しました。また、頻尿で困ることは具体的な尿の回数よりも、トイレに行くことができない状態(例えば仕事中、学校の授業中、バス旅行中など)で、過剰な尿意を感じる場合が多いこともお話しました。極端な話、30分おきに尿意を感じてトイレに行っても、本人が困らなければそれで良いのです。 過活動膀胱の状態は、その言葉通り急激に尿意を感じることです。ただし、急な尿意、頻尿の原因として膀胱炎、膀胱癌、尿路結石、など原因がはっきりしている場合はこれらの治療を優先し、また、子宮が大きくなり膀胱を圧迫して頻尿になる場合も、過活動膀胱から除外します。 過活動膀胱の原因は、神経疾患(脳血管障害、脊髄障害)がある場合とない場合に別けられます。以前は、泌尿器科専門医のみが膀胱の状態を検査して、原因の検索、治療を行っていましたが、今ではまったく痛みを伴わない尿の検査、超音波検査と本人の訴えで、症状を把握し、治療することが可能となりました。また、男性と女性では原因が異なり、男性では圧倒的に前立腺肥大症が多いのですが、質問者のような女性では、膀胱と尿道が解剖学的に男性と異なることより、中年女性の3人に2人は何らかの尿のトラブルを持っていると言われています。 次回は治療内容について詳しくお話しいたします。