新聞報道によれば、猛暑による熱中症で病院に運ばれた人の数は全国では7月下旬の1週間で1万人近くになり、死亡者も出ているようです。特に死亡者の7割近くが高齢者ということですが、何故高齢者に多くなりやすいのですか?(※前回の続きです)
まるごと生活情報 2010年09月25日号掲載
熱中症にはこれといった特異的な症状がないため、65才以上の高齢者は風邪などと軽く考え重症になることが多いからです。また、今回は私の友人が実際に熱中症の初期症状になった経験をお話します。 ~前回にひき続いての解答です~
前回、熱中症とは、暑い環境で起こる様々な体の不調であり、暑さで血管が拡張することにより起こるめまいなどの症状から、脱水(水分が不足した状態)のために生じる血圧の低下や脈拍が早くなる状態まで、症状にはかなりの程度の差があり、最悪の場合は体温が正常に戻らず(40度以上になり)死亡することもある、とお話しました
また、軽いめまい、だるさなど「えっ!こんな症状が?」と思われることが熱中症の初期症状であることがあり、熱中症は死に至る病気であることを十分認識し、軽く考えないようにしたいものです、ともお話しました
しかしながら、このように熱中症に注意しましょうと啓蒙しているにもかかわらず、今回は私の友人(49才)が実際に熱中症の初期症状になった経験をお話します。
その日は私も同行し、約300mの山登りに出かけました。当日は猛暑でもなく、歩く距離も約1400m程度で、友人も体力にはやや自信があったため、スポーツ飲料水を1リットル用意して朝10時30分頃より気楽な気持ちで山登りを始めました。途中、降りてくる人(子どもから明らかに高齢者まで様々な人々)と「こんにちは!」などと余裕で挨拶を交わし、約40分掛けて山頂に到着しました。山頂で休息後、12時頃より下山を開始しました
ところが、下山開始約10分後突然、友人が手足のしびれ、吐き気、気持ちの悪さを訴えました。脈をチェックすると、ドキドキと心臓が早くなり、脈もやや弱く(脱水で血圧が下がっている証拠)、顔面も蒼白で熱中症の初期症状と診断しました。気持ちが悪く、水分補給も十分に出来ないため、日陰で休み、何とか途中のトイレなどの水で体を冷やしながら、ゆっくりゆっくりと下山し、ホテルの休息室に到着したのは午後1時でした。エアコンの効いた部屋で安静にしていると、約30分ですべての症状は回復し、昼食を堪能できた様子でした
このように、熱中症は突然やってくることを身近に経験しました。皆さんも、猛暑日などは常に熱中症の危険があることを意識して行動してください。