受験生をもつ母親ですが、秋なのに急に寒くなり子どもの健康管理が心配です。どのようなことに気をつければいいでしょうか?
まるごと生活情報 2010年11月27日号掲載
うがい、手洗いを行い、なるべく人混みを避けること、など急性の感染症の予防対策を行ってください。
感染症を引き起こす原因菌は、細菌、ウイルス、真菌(いわゆる水虫)、クラミジアなど様々ですが、寒い時期は、ウイルスが活動的になりやすい環境です。いわゆる風邪症状(のどの痛み、咳、鼻水、発熱によるだるさ)を生じさせるウイルスが蔓延しています。
インフルエンザウイルスを含む風邪ウイルスは、患者さんの咳、くしゃみ、会話などから感染する飛沫感染と呼ばれ、マスクが感染予防に有効です。必要なとき以外は、たくさんの人が集まる所を避けることも大切です。私は1年中風邪の患者さんと接しているため、診療中は必ずマスクをしています。また、気管支喘息の人は、今の時期風邪にかかると症状がすぐ悪化しますので注意してください。また、インフルエンザの予防接種を受けることも忘れないでください
下痢、嘔吐を生じるウイルス性胃腸炎(ノロ・ロタウイルスなど)は、患者さんの嘔吐物、唾液などから感染する接触感染が原因ですので、外出後、食事前は必ず手洗いをしてください。私も患者さんから感染し、2~3日ほど苦しんだ経験もあります。
繰り返しますが、普段より気をつけることは、うがい、手洗いを習慣づけ、必要なとき以外は人混みを避け、外出時にはマスクを着用すること、等です。
なお、マスク着用は、自分が感染しないことも目的のひとつですが、さらに大切なのは、患者さん自らが風邪を人に移さないために着用するよう心がけることだと思います。また、急激に発症する39度以上の高熱があればインフルエンザを疑い早めに医療機関を受診することも必要です。