1週間ほど前に脇腹の痛みで受診したところ尿路結石症という診断でした。数年前にも同じ診断を受けたことがあり、繰り返すことがあるのをはじめて知りました。生活のうえで、何か気をつけた方が良いことがあれば教えてください。
まるごと生活情報 2012年06月23日号掲載
尿路結石症の5年再発率は45%と非常に高く、再発予防の基本は①水分摂取を心がける ②肥満の防止 ③食生活の改善 ④医療機関への定期的通院、とされています。尿路結石症の頻度、生活習慣病との関係、再発予防、治療などについて2~3回に分けてお話します。今回は1回目です。
尿路結石症とは、尿路(腎臓、尿管、膀胱、尿道)の結石により、血尿、痛みなどの症状を呈する疾患の総称です。腎臓、尿管を上部尿路、膀胱、尿道を下部尿路と定義し、結石のできる部位は現在では、上部尿路が95%以上を占めています。
1)男女比は約2.5:1と男性に多く、これは女性ホルモン(エストロゲン)の影響が関係あるとされています。また、男性では7人に1人、女性では15人に1人が一生のうち一度は尿路結石を経験します。
2)発症しやすい年齢は男性が40歳台、女性では50歳台がピークで、閉経との関係が推測されます。
3)結石成分は男女ともカルシウムを含む結石が90%を占め、特にシュウ酸カルシウムを含む結石の増加が目立ちます。この原因として、欧米化した食事(脂肪分または動物性タンパク質摂取の増加)との関係が考えられています。しかし、尿路結石は多くの要素が重なり合って発症するため、原因のすべては解明されていません
4)男性結石患者の40%、女性結石患者の25%に肥満が見られます。
5)カルシウムを含む結石の5年再発率は45%と非常に高く、再発予防の基本は①水分摂取を心がける ②肥満の防止 ③食生活の改善 ④医療機関への定期的通院とされています。
次回は、具体的予防法、食事療法について詳しくお話します。