小学2年生の子どものおねしょが続いています。おねしょについて教えてください。
まるごと生活情報 2012年10月27日号掲載
小学生になってもおねしょが続く場合は検査、治療の対象になります。幼稚園児以下の場合は放置して良いと思います。
「おねしょ」とは、専門的な医学用語では夜間遺尿症と言います。一般的に5歳以上の子どもが昼、夜間ともに尿漏れがあるものを遺尿症と定義し、夜間の尿漏れだけのものを夜間遺尿症つまり夜尿症、通称「おねしょ」と呼びます。言葉の通り、夜、無意識のうちに排尿することです。
4歳頃になっても昼も夜も常に下着が濡れている場合は、泌尿器科的な先天異常が認められることがあり、精査が必要です。泌尿器科医が超音波検査で、腎臓、膀胱の壁の状態を調べれば先天異常の有無、膀胱での最大容量(尿のたまり具合、膀胱の壁の厚さ)などを確認することが出来ます。
おむつの取れた経験があるか、自分で夜尿意で目が覚めてトイレに行った経験がある子どもは、治療しなくてもおねしょは自然に治るもの、と言われています。
正常な膀胱機能とは、「意識的に漏れなく尿を貯蓄し、残りなく排尿すること」です。3~4歳までは尿がある程度貯まると勝手に膀胱が収縮して排尿します。これは、自動膀胱とも言います。しかし、成長とともに尿意を覚え、おしっこを貯め、出したい時にトイレで排尿します。
「おねしょ」の病態は、尿意と眠気のどちらが有意かという事です。眠りが強ければ、膀胱に尿が貯まっても目が覚めず、膀胱の収縮により夜尿症が生じ、尿意で眼が覚めれば、トイレに行きます。つまり睡眠中に尿意を感じないと膀胱が自動的に収縮して「おねしょ」になります。
治療は①生活指導②薬物療法に分けられます。①では、夕食後の水分摂取習慣の改善、就寝前の排尿の履行などです。②では、薬である程度、膀胱の収縮を抑えたり、膀胱容量を増やすことが出来ます。また点鼻薬で尿量を少なくすることも可能ですが、使用には注意が必要です。
小学生以上の場合、腎臓、膀胱のエコー、検尿、脊椎のレントゲン写真などをチェックし明らかな異常がないことを確認し、適切な内服治療を行えば症状の改善が期待できます。