健康診断の季節になり、今年も高血圧の診断を受け、医療機関への受診を勧められました。数年前から放置していますが全く自覚症状はありません。本当に受診しなくてはいけないのでしょうか?(※前回の続きです)
まるごと生活情報 2012年12月22日号掲載
自覚症状がなくても血圧が高くなるにつれ、脳血管障害(脳梗塞、脳出血)、心筋梗塞、狭心症などの発症リスクが高くなるため、医療機関への受診をお勧めします。今回は高血圧の治療方針についてお話します。今回は2回目です。
前回、血圧は表のように6段階に分類され、健診で収縮期血圧130以上または拡張期血圧85以上の場合、医療機関への受診を勧められ、高血圧を指摘されればまずかかりつけ医に受診し、家庭での血圧を含めた1日の血圧の変化を把握することが高血圧の診断に必要だとお話しました。高血圧を見逃さないためには、できるだけ頻回に家庭(特に朝起床1時間以内は必須)および職場で血圧測定を行うことが大切です。健診、家庭、職場のいずれかで血圧が高ければ治療の対象になります。
今回は血圧の治療方針についてお話します。
① 高血圧と診断されれば、年齢(65歳以上の高齢者と若年者・中年者)、病歴(心臓、脳の疾患の有無)、糖尿病の合併の有無、などにより内服薬の開始時期は異なりますが、自覚症状がなくても血圧が高くなるにつれ、脳血管障害(脳梗塞、脳出血)、心筋梗塞、狭心症などの発症リスクが高くなるため、何らかの治療が必要です。
②そのためには、すべての患者さんがまず生活習慣を改善することが大切です。つまり、標準体重にする、食事・運動療法、禁煙を実行することです。
③表の中の、正常高値血圧に当てはまる人は、通常では直ちに内服治療の必要はありません。しかし、血圧以外の要素(特に、糖尿病、慢性腎臓病など)があると、そうでない場合に比べて脳、心臓血管の病気になりやすいことが分かってきました。つまり、糖尿病があれば正常高値血圧でも直ちに薬での治療が必要になる場合があります。
日頃から血圧に関心を持ち年1回の健診をお勧めします。