健康診断で高血圧を指摘され、食事運動療法を勧められましたが具体的にはどのようにすれば良いのでしょうか、教えてください。
まるごと生活情報 2013年06月22日号掲載
高血圧の程度にもよりますが、軽症の場合は塩分制限と共に次に述べるようなウォーキングを中心とした適度の運動をお勧めします。
高血圧症はその程度により軽症、中等度、重症の3段階に分類されますが、軽症の場合、肥満、糖尿病、腎機能低下など他の合併症がない限り直ちに内服治療を開始する必要はありません。今回は軽症の高血圧症に対する運動療法について具体的にお話します。
今すぐ何処ででも始められる運動療法の1つにウォーキングがあります。水泳、卓球なども体を動かす運動ですが、今すぐできるという意味でぜひウォーキングをお勧めします。1日30~45分ぐらい行うことが望ましく、この30~45分という時間は、毎日無理なく続けられる時間です。
従来は1回に20分以上まとめてやらないと運動効果はないと考えられていましたが、最近では、細切れであっても毎日やり続ければ運動効果があると考えられています。極論を言えば、1回5分のウォーキングでも、休みをいれながら計6回1日30分行えば、全く運動をしない人に比べれば降圧効果があるとされます。
運動の強度は、強すぎないことが大切です。強い運動よりも、息が軽くはずむぐらいの運動が良いとされます。理想的には、個人差はありますが、やや汗をかく程度の速さで30分連続してウォーキングするのが良いと思われます。強い運動(例えばジョギングなど)は運動中の血圧がよけいに上り、つらいので長続きしません。安全で長続きすることが大切です。
さらに大切なのは、日頃から常に日常生活で身体を動かすと言う意識を持つことです。普段から2~4階ならエスカレーターやエレベーターを利用せず、できるだけ階段を使う様に習慣をつけてください。
(参考文献 厚生労働省ホームページ)