長岡市から肺炎球菌ワクチン接種の通知が来ましたが、肺炎球菌ワクチンについて教えてください。(長岡市65歳女性)
まるごと生活情報 2014年11月22日号掲載
以前この欄でお話しましたが、肺炎球菌ワクチンには、生後2ヵ月から定期予防接種として行われている小児用肺炎球菌ワクチンと、高齢者向けワクチンの2種類があります。どちらも肺炎球菌による重症感染症を予防することが目的です。
肺炎球菌はその名前の通り肺炎の原因となりますが、喉の奥など人の体や、日常生活に存在する菌です。多くの人は、菌に対しての抵抗力がありさほど問題になることはありません。ただし、高齢者など体の抵抗力が弱くなれば、肺炎、髄膜炎、中耳炎などの感染症の原因になります。
現在、肺炎は日本人の死亡原因の第3位で、しかも肺炎の死亡数の約95%は65歳以上の高齢者で占められています。また、肺炎の原因の約30%が肺炎球菌によるものです。
これらの理由により平成26年10月から、高齢者用肺炎球菌ワクチンの予防接種が国の定める定期接種となり、長岡市においても接種費用の一部助成制度が始まりました。
対象者は、原則平成26年度に65歳になる方(昭和24年4月2日生まれから昭和25年4月1日生まれまで)から5歳刻みの100歳までと、101歳以上の年齢の方が定期接種対象者となります。ワクチン接種後約5年間効果があるとされます。
ただし、肺炎予防には予防接種の他に①規則正しい生活をする②細菌が体に入り込まないよう手洗い、うがいをする③歯磨きなどで口の中を清潔にする、ことが大事です。
(参考文献 ①厚生労働省ホームページ②長岡市ホームページ③成人予防接種のガイダンス 日本内科学会雑誌 第101巻 第12号)